『日本文学ふいんき語り』は豊崎由美『そんなに読んで、どうするの』を応援します2005年11月19日 15:46

豊崎由美さんの初(←意外にも!)書評集『そんなに読んで、どうするの』(アスペクト)が、
11/29に出ます。

なかに、「カエルブンゲイ」に書いていただいた書評が何本か収録されたからかな?
見本を届けていただきました。

黄色と黒のコントラストがキレイ。ぜんぜんどぎつくないのはデザインの力(装幀/ミルキィ・イソベ)ですなあ。
PPかけてないいい手触りのカバー紙にバーコ印刷(かな?)で、タイトル&著者名と背景の本が一冊だけもりもりっと浮き上がってて、
絶妙なアクセントとなっております、しゃれとるばい!

で、これ、560ページもあんのな!
1600円ってありえねー! 

薄い紙をつかって、ボリュームが出過ぎないようにしてるのもステキです。
ぎゅうぎゅうに、239作品の書評がおさめられております。
そしてたいへん不穏な袋とじまで付いてます……。

ブックガイドとしてつかえるように、巻末には「読みたい本がみつかる書名index」がついてて、
「批評」「旅」「冒険」「少年・少女」から「動物・クリーチャーなど」といった
細かく、読書心をくすぐるジャンル表でその作品の傾向までひとめでわかるようになってます。
こりゃあ、労作だあ、編集担当のT田さん、エライ!

豊崎さんとは『文学賞メッタ斬り!』(パルコ出版/大森望さんとの共著)、
『百年の誤読』(ぴあ/岡野宏文さんとの共著)
というふたつの対談集の編集でお世話になっているのですが、
こんな細かくて親切な仕事、わたしには絶対にできない!!
(索引つくるだけで泣きそうだったもん)

『日本文学ふいんき語り』の3人も、「カエルブンゲイ」を通して、
豊崎大姉にはたいへんお世話になっております。
なかでも米光一成は、豊崎さんが開いてる書評講座にゲストとして参加、
20余名の正しき読書人の女性たちに、課題図書として、こともあろうに
『撲殺天使ドクロちゃん』を読ませるという暴挙に出、
大顰蹙をかったことがありました。

*詳しい顛末は、米光一成の「こどものもうそうblog」
『撲殺天使ドクロちゃん』を20数名の女性に読んでもらうという実験
『撲殺天使ドクロちゃん』で女性20人から撲殺されそうな予感ですぅ!
『撲殺天使ドクロちゃん』を読んだ20数名の女性の殺気を感じながら
を読んでみてください。


そういや、豊崎さんと米光は、「カエルブンゲイ」紙上で、舞城王太郎を絶賛しあったこともありました。2001年10月発行号ですから、これは早かった!(自画自賛)
あ、だんだん思い出してきた、
飲み会の席で麻野一哉が大姉に向かい、

「豊崎さん、どんなタイプがええの? オレはね、絶対年上の落ち着いた男性が合うと思うよー」

と、おそれおおくも恋愛アドバイスをしていた情景がいま、浮かびました!

というわけでゲーム作家たちにとって、豊崎由美さんとは、
文学の大先輩であり、
どんな無知をさらしても、暴挙に出ても
笑ってゆるして飲んだくれてくれ、最後はいっしょにわけわかんなくなっちゃって、まあいいやーと酒に流してくれるという、
大切な大切な存在なのでした!

つまり、
『そんなに読んで、どうするの』『日本文学ふいんき語り』は、
「姉弟本」といってもさしつかえないわけで。
(ああ、発売日も1日違いですよ!)
きょ、極論すれば、両方買い揃えてこそ、はじめて一人前! そう言ってもいいのではないでしょうか!?
おお、そして『日本文学ふいんき語り』を装幀してくださった安部晴美@天狗モータースさんは、
ミルキィさんと師弟関係だというではないかっ!

もはや、偶然とは思えません。
わたしの目には、二冊を結ぶぶっといぶっとい赤い糸が見えています。
(ボージョレーヌーヴォー、うまい)