「ゲーム化」を外した理由2005年11月02日 19:00

maru
知ったかぶり週報さんが11/2の日記で取り上げてくださいました! ありがとうございます。で、

>「ゲーム化」というタイトルにはこだわってほしかった

と書かれておりますが、

わたしもだよ!(泣)
その理由についてもまったく同感で、こころを読まれたのかと思うくらいです。

そうなんです。
今回の出版の条件としてまず言われたのが、

「タイトルを変えましょう、
ゲームファンじゃない読者にも届くタイトルにしましょう」

ということだったんです。
そして、編集者として、反論できない過去があるのでした。

前作『ベストセラー本ゲーム化会議』は、
オンライン書店予約の数字は予想以上、
アマゾンも早々に100位以内にランクイン、
bk1でもジャンル別のベスト10入り、
と、webでの手応えはじゅうぶんで「これはいけるか?」というスタートだったのですが、
リアル書店での動きがサッパリにぶにぶだったんです。
「なんでだ? おかしいぞ?」
と新宿の某超大手書店を見に行くと、
新刊書売り場にも、文芸書売り場にも置いてない、
もしや? と調べたサブカルコーナーにもない。
どこだどこだと探しまわって最上階、
ありました。

ゲーム攻略本コーナーに積まれておったのです!
しっかりビニールでシーリングされて!!

忙しい書店員さんにとっては「ゲーム」って書いてある本は、ゲームコーナーに置くものだったんですね。
これじゃ、売れるわけがない。
もちろん、この本を気に入ってくれて、たとえば斎藤美奈子さんの本と並べるとか、
本好きのひとに向けて配置してくれるありがたーい書店もたくさんありました。
でも、多くの書店できっと「ゲーム本」として処理され、
こういうもんが好きなひとの目に触れることなく返本されてしまったんだと思うのですよ。

あと、前回、わたしがちょっと思い違いしてたことがもうひとつあって、
それは、この本の中心読者層は、
「本もゲームも好きなひと」だと思ってたこと。(じぶんもそうだし)
本好きとゲーム好きは、図1くらいの割合で重なっているいるだろうと予測し、
ゲーム好きなひとの目も引くような装幀にしてもらったのだけど、
実際には、図2のような状況で、
ほとんど重なってなかったんですね。
(ってぜんぜん図にするまでもなかったなー。blog開始早々、気持ちがうわずってます!)

ぜんぜん間違ってた!
ゲームも本も好きなひとって、
ごく少数派なんだ!
ということに発売後に気づいたという。

で、逆にこの本を気に入ってくれたひとでいちばん多かったのが、
「ゲームはやったことないけど、書評としておもしろかった」
という声だったんです。

それで、
このようなカバーになったわけです。
でもみると納得でしょ?。
内容は、前作を踏襲してて、
ゲーム企画書やら、やたらめったら註をつける脚註当番制やら、
ご好評いただいたシステムも、むしろパワーアップしております。
一冊のまとまりとしては、いいところに着地できたんじゃないかと自負しておるところです。
変えてもらってよかった!。
といっても、わかりにくいコンセプトの本であったことは間違いないので、
このデザインに落とし込むまで、
デザイナーさんはほんとにたいへんだったと思う。
このへんの苦労話は取材して、またの機会に。

なんちて、これから三校チェック。まだまだ戦闘モード!