ゲーム脳meets高橋源一郎!2006年02月10日 13:31

前の日記で予告したアノ作家とは、
高橋源一郎さんでした!
経緯をちょっと説明しますと、
去年の夏ごろ、高橋さんに親しい方から
エキサイトブックスの連載を読んでらっしゃるらしい、
しかもおもしろいって言ってるよ……と教えてもらい、
全然面識のない高橋さんに、
おそるおそる、年末の発売と同時に『日本文学ふいんき語り』を送ってみたのですよ。
そしたらたいへん気に入ってくれ、なんと、

「みなさんとコラボやれると面白いね!」

と気さくに声をかけていただき、
「ええー!? マジ!?」
とよろこんだりビビったりしながら、
今回の企画が実現したのでした。

対決(コラボ?)場所は、「ダ・ヴィンチ」4月号。
高橋さん提案の課題図書はカフカの『変身』
目をさますとオレは虫だったってアレですよ。

他のひとといっしょにゲーム化に挑むのははじめて。
しかも、いわゆる文学の常識を見事に知らず

「カフカって、カミュだっけ? また別のひとだっけ?」

とか言ってるゲーム脳野郎共にも
高橋源一郎さんがすごい作家ということは知られてるわけで、
ほんとに緊張の中にコラボははじまりましたが、

「いやー、『日本文学ふいんき語り』、おもしろく読みましたよ」

という高橋さんのフレンドリーな語りに助けられたり、
ゲーセンで「ポン」→「インベーダー」→「ゼビウス」とやりつくし、
ファミコンのみならずアミーガまでやってたというゲームマニアっぷりを知って親近感バクハツ!

「『ドラクエ2』の発売日、編集者に『今日から一週間は電話してくるな、オレはいなくなったものと思ってくれ』と言ったんだよ。
そしたら『はあ……、高橋さんもそうなんですね』って。当時、いろんな作家がはまってたんだね」

など、文壇ゲーム話も聞けましたよ!

『変身』のゲーム化のほうも、見事なコラボレーションで
うまいところに着地しました。高橋さんもゲーム化案を出してくれました!

キーワードとしては、

「介護」「たまごっち」「変身2」「ウィルス」「ドラクエのパーティがある日とつぜん!」「おにいちゃあーん」「よだかの星」「ごん、おまえだったのか」「バグ」「パトラッシュ、僕もうつかれたよ」「みんなでデバック」……etc.

詳しくは「ダ・ヴィンチ」をお楽しみに!

座談会のあとは近くのイタリアンで高橋さんを囲んでおいしいお酒を飲みました。

「また呼んでくださいよ」

なんて言われて、うれしかったな〜。
あ、三島っちバッジもわたしました。
ああ、三島賞作家が「きんかくじもやしてこい」をつけてる〜。

で、帰りながらいただいた「ダ・ヴィンチ」を読んでいたら、
「絶対読んでトクする20冊」のコーナーで、『笑う新聞』などで知られる新保信長さんが『日本文学ふいんき語り』をおすすめしてくださってるではありませんか!

……そして、ここが重要なのだが、本書を読むと、そこで俎上に上げられている作品をぜひとも読みたくなる。名作だからって肩肘張る必要はない。どんな作品も読み方は自由。ゲーム化というフィルターを通すことで、今まで見えなかった作品の別の側面が見えてくる。著者らの狙い通り、本書は確かに、新たな、そして極めて真っ当な文芸批評となっている。

う、うれしすぎ。
ありがとうありがとう、新保信長さん!