枡野浩一賛江!!2005年12月10日 02:09

アンビリーババー!
ん? アンビリーバボーって書いたつもりでした。ちょっと酔っぱらってます。

昨日発行の「週刊読書人」っていう読書大好きっこ向けの新聞は、アンケート「2005年の収穫 印象に残った本」って企画でしたの。
でね!『日本文学ふいんき語り』、登場してるんですよ。アンケート回答者は歌人の枡野浩一さん。
もう、うれしいんで、全文引用しちゃう!


●豊崎由美 『そんなに読んで、どうするの?』 (アスペクト)
●北上次郎+大森望 『読むのが怖い!』 (ロッキング・オン)
●麻野一哉+飯田和敏+米光一成 『日本文学ふいんき語り』 (双葉社)

 もちろん優れた書評というものはボケとツッコミを一人の書き手が両方担当しているものであり(その名手はたとえば山崎浩一)、豊崎由美の初書評集の「袋綴じ」は、いかに文学界がツッコミに弱いかを象徴している。今年は北上次郎と大森望のボケ&ツッコミに爆笑し、「ふいんき語り」の放談に頷いた。「ふいんき…」における文豪作品の感想は、かつて読んだどんな評論(三浦雅士とか)よりも実感にあふれている。太宰のとか三島のとか。魅力の指摘も欠点の指摘も、当ってるんじゃないかなー。三冊ともネット時代の本だという感じがすごくする。今までは「こんなこと言ったら変か?」と遠慮されていたような意見を堂々と言ってみる、という試み。最近はネットのせいで盗作もすぐバレるし、もう文学も安全地帯にはいられない。ツッコミすること/されることを恐れない勇気と、ツッコミを受けとめ対応していく柔軟性がないと、「書く」という仕事は成り立つまい。……と、威張るほどの話ではないです。


枡野さんありがとう!
だからというわけじゃないんだけど、エッセイ集 『あるきかたがただしくない』、すばらだぬしいです(写真)。
「週刊朝日」の同名連載を元に編んだもの。エッセイ集の多くは、読者がいつでも勝手に気楽な気分で読めるって性格のものだと思うんだけど、この本は、とにかく「元妻の理不尽な行動により、離婚したときの取り決めどおり息子に会わせてもらえない枡野浩一」のことをかたときも忘れないでは読めない。そこがすごい。

枡野さんは、ものすごく正確でキレイな文章を書くひとなんだけど、この本ではたぶん意図的に調子をくずしてるのも印象的。
「である」と「です」が混在してはだめーとか言うひといるじゃん?
そんなの無意味無意味ってこの本読むと思う。文章はルールだけじゃ書けないんです。意味が通った上に、こころに響く美しい文章を書くことってさ、たぶん内容にふさわしい文体を、秒刻みで選びとっていくってことなんだよ!
それが出来るか出来ないってことだよ!(鼻息荒い)
オレはできねえけどよ!

枡野さんのためにもお賽銭、100円入れますね、息子さんと会えるように……。

『日本文学ふいんき語り』(麻野一哉、飯田和敏、米光一成/双葉社)
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*章構成などはコチラを参照してね!

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